ようやくアティテュード、耳にしました。未だCD化されておらず、AOR大好き人間にとって、デヴィッド・フォスターが在籍していたバンドとして長年気になってました。もともとはジム・ケルトナーのファンクラブか何かで演奏したのがきっかけで結成されたバンドと云われてますが、そのジムをリーダーに、ギターがダニー・コーチマー、ベースにポール・ストールワース、キーボードにデヴィッド・フォスターという面子。
どんな音なのかな~と思っていたら、オークションにアティテュードのアルバム、しかもファーストとセカンドをカップリングした2in1形式のCDが出品されているではないですか! もちろんCD化されていない筈なので、正規盤ではないと思いつつ、「音源が聞ければいい」と思い落札してしまいました。
で、そのCDですが、昨日の記事にも書いたとおり、裏ジャケには「Digital remasters 2009 The copyright in this recording is owned by DH records Ltd」と記載がありました。ホントにリマスターされているかどうかは分かりませんし、アナログ盤から音を録ったのかもしれませんが、それにしては結構イイ音してますね。
取り敢えず彼等のセカンドアルバムをじっくり聴いてます。
フェードインしてくるファンキーな音、地下から上がってくるような足音・・・、そして軽快に4人の共作である①「
Being Here With You」は始まります。
さらにファンク指数は上がってきます。強烈なベースのアタック音の②「Drink My Water」。
彼等の通算3枚目のシングルともなった③「Sweet Summer Music」。
ダニー・コーチマーの趣味が丸出しの④「Let's Talk Turkey」。彼はこうしたファンクが根っからお好きなのでしょう。
ここまで聴いてきて、「どうもフォスター節がそれほど全面に出ていないなあ」と思っていたら、タイトルもそのものズバリの⑤「Foster's Frees」が・・・。いやいや、これはオーケストラを使った完全なデヴィッドの独壇場、というか彼がアレンジしたオーケストラ・インストで、他のメンバーは参加していないのでは・・・。
自分の見せ場が作れないことの不満をこの曲に爆発させたのでしょうか(笑)。
所謂A面最後の楽曲が⑥「Turning In Space」。これもベースのポールが持ち寄った楽曲ですが、AOR色の濃いリズミカルな1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=H4c3ws6SIu0エンディングのコーラスとか間奏の部分、エンディングのキーボードリフとか、何となくフォスター節が見受けられます。本来ねちっこいダニーのギターも軽快にカッティングしてますね~。
これはイイ!!! フォスター初のプロデュース作品である1976年の
Jaye P.Morganのアルバムと同じ香りがします。
いや~、これはいいと思っていたら、このアルバムのキラーチューンが・・・。それが⑦「
Change」。これもベースのポールの作品ですが、実にスウィートなAORです。メロウなフェンダーが夢見心地にさせてくれます。そしてこの楽曲のキーが一発で誰が弾いているか分かるギターソロ・・・。そうです、ジェイ・グレイドンですね~(多分)。ここでもダニーは堅実にカッティングしてますが、やはりこの楽曲のソロはジェイに譲ったのでしょうね。
以下⑧~⑩はダニーの楽曲。後のTOTOが演奏しそうなシャッフル系の⑧「In A Stranger's Arms」。ここでもバックのジムのドラムがスゴイ。後にTOTOのジェフ・ポーカロが「Rosanna」で見せたシャッフルビートに通じるドラミングを、ジムが既に披露しております。
⑨「Manual Dexterity」、一瞬マーヴィン・ゲイの「Sexual-Healing」かと思ってしまった(笑)イントロ、似ているのはイントロだけです。またまたダニーの趣味丸出しの楽曲。
おっとフォスターらしいキーボードリフの⑩「Promise Me The Moon」。これはフォスターっぽい楽曲ですが、ダニーの単独作品。
イントロはドナルド・フェイゲンの「Ruby Baby」にそっくり。笑い声も聞こえてくるパーティーソングですね。
軽快なシャッフルナンバーはAORにぴったり。それにしてもこれもベースのポールの作品。彼は3人に較べて知名度はかなり低いですが実にイイ曲を作りますね。
アティテュード、バンマスがジム・ケルトナーだけあって実にファンキー。そしてダニーのファンク志向がそれに乗っかる形。そもそもデヴィッド・フォスターとダニー・コーチマーが同じバンドにいたという事実は、私にとってはものすごく違和感を感じるものでした。そしてその思いはこのアルバムを通して聴いて、改めて強くしました。ダニー色とAOR色が混在したアルバム・・・、個人的にはファンクも嫌いではないので、大好きなアルバムとなりそうですが。
これからファーストをじっくり聴こうと思います・・・。