ついに自転車を買ってしまいました。午後から雨が止んだので、クラブケースを肩にかけて50分、じっくり自転車を漕いでゴルフ練習場へ。やっぱり車のほうが圧倒的に便利ですね。とはいえ健康のためと思いつつ、我慢しております。
さて久しぶりに本格的なAORアルバムの登場です。
エイドリアン・ガービッツのスウィートなファーストソロアルバム。AORアルバムの名盤紹介本には必ずといっていいほど、このアルバムは紹介されてます。ですから前から気になっていたアルバム。
エイドリアン・ガービッツの経歴については、私、全く認識しておりませんでした。金澤さんのライナーノーツによると、1967年にThe Gunというバンドでデビューを果たし、その後兄とともにThree Man Armyを結成。同グループ解散後、1974年、あのクリームのジンジャー・ベイカーとThe Baker Gurvitz Armyを結成。デビュー以来、どちらかというとハードロック系の音楽をやっていた方のようです。
そのエイドリアン、どういった心境の変化か、この素晴らしいAOR系のアルバムを発表したのです。
ディスコブームを反映したようなノリの①「
Untouchable and Free」。
https://www.youtube.com/watch?v=dcV4L0LewLQ軽いノリのドラムはエド・グリーン。ここで聴かれるシンセはいかにも70年代終わりから80年代前半にかけてのもので、それもそのはず、シンセはTOTOのスティーヴ・ポーカロ、ストリングアレンジにはデヴィッド・ペイチ。ブラスはジェリー・ヘイ(いかにもジェリー・ヘイっぽい)。ギターはリトル・フィートのフレッド・タケット。う~ん、まさにボズの「Silk Degrees」と同じ面子ですね。
このアルバムの本質はやっぱり②「
The Wonder of It All」ですね。実にメロウでスウィートなギターです(このギターもフレッド)。タイトなドラムはもちろんジェフ・ポーカロ。これぞ「ザ・AOR」!!!
①にさらにフィリーソウル的要素を加えたのが④「Love Space」。
決して声質が太くないヴォーカルのエイドリアン。逆に線の細さがファルセットヴォイスには効果的。気持ち悪いほどファルセットしてます(笑)。
イントロのギターソロはエイドリアン自身。さすがリードギタリストだけあって、上手いものです。ハードロックのギタリストだったとは全く判別できないスウィートなギター。どちらかというとジャズ・ギターの香りがしますね。
独特のグルーヴ感が堪らない⑤「
The Way I Feel」。
決してディストーションをかけない自然なギター音が心地いいです。
⑦「I Just Wanna Get Inside Your Head」を聴くと毎回思い出してしまいます。それはボビー・コールドウェルのファーストアルバムです。
https://www.youtube.com/watch?v=6Y4scFchzQoこのアルバム、フィリーソウルやディスコ、TOTO系といったワーディングが連想されますが、特にこの曲はイントロからボビーのあのサウンドを彷彿させます。ボビーは実にソウルフルなヴォーカリストですので、エイドリアンとはタイプが違いますが、ひょっとしたらエイドリアンもソウルフルなヴォーカルでしたら、また違った味わいのあるアルバムになっていたかもしれませんね。
実に味わい深いAORの名盤ですね。
エイドリアン、この後1982年に「Classic」という楽曲をヒットさせます。この曲、典型的な80年代ロック的な香りのするバラードで、一瞬フォリナーの「4」あたりの楽曲??と思ってしまいました。