ちょっと前にオフで「名盤の殿堂」の帯が付いたアルバムが500円で売られてました。今まで聴いたことのないアーチストだったのですが、その帯には『「新しいポール・マッカートニー」と絶賛された・・・』とか『ブリリアントなポップ名盤』『エンジニアはカート・ベッチャーとキース・オルソン』などと、ポールファンの私の食指をそそるような文句が並んでいたため、全く予備知識なく購入。ここ数週間毎日聴いていますが、これがまたいい。そのアーチストがエミット・ローズです。コアファンの間では有名な存在のようですが、私は全く知りませんでした^^。
もともとはドラム担当だったエミットが、自らも歌いたいという思いから結成したのがメリー・ゴー・ラウンドというバンド。1967年には数枚のシングルヒットを放ちますが、敢無く解散。エミットはスタジオにこもり、ギター、ドラム、ベース、ピアノと全ての楽器をこなしレコーディングを開始します。そのデモテープがダンヒルレーベルに認められ、本作にてソロデビューを果たします。
ダンヒルレーベルというと私の大好きなハル・ブレイン(Ds)、ジョー・オズボーン(B)、ラリー・ネクテル(Key)といったバックミュージシャンの名手が連想されますが、彼等の手を借りることなく、すんなりと自作自演の本作発表をダンヒルが許可したということは、エミットの楽器演奏能力も相当高いということだし、ダンヒルも相当エミットを高く評価していたということでしょう。
さて、この未知なるアルバム、もう1曲目を聴いた瞬間からこれは私のツボにはまるアルバムだと確信しました。①「
With My Face on the Floor」はピアノの力強いフレーズに導かれるポップス。もっとギターの音が目立つと恐らくパワーポップになるのでは・・・。当時パワーポップの祖で私の大好きなラズベリーズが活躍していましたが、この作風は個人的にはポールというかエリック・カルメン(ラズベリーズ)に近いのではないかと思います。それにしてもキャッチーでポップな曲ですね。エンディングの微かに聞こえる口笛もいいですね。
②「
Somebody Made for Me」もいいなあ~。このメロディはポールっぽい。ベースラインのうねりやコーラスもポールっぽい。
https://www.youtube.com/watch?v=9F-WqdmZwd8どこかのブログを拝見していたら③「
She's Such a Beauty」がビートルズの「マーサ・マイ・ディア」に似ているとあったが、正にその通り。「マーサ・マイ・ディア」も実際はポールの一人録音でしたね。このエミットの楽曲もどこかユーモラスなピアノがキーとなってます。